【授業紹介】ソーシャルワーク演習4 ゲストスピーカー授業 2025.11.20 人文学部社会福祉学科教育・研究国際体験社会連携受験生の方へ受験生の保護者・高校教職員の方へ企業・一般の方へ6つのCONNECT世界とつながる

 ソーシャルワーク演習4では、ソーシャルワークの現場で行った実習(ソーシャルワーク実習2)での経験や学びをふりかえり、その実践の共通基盤となる知識や技術を習得することを目指しています。同時に、ソーシャルワークに関わる実践家をお招きし、自らの進路や実践のあり方について、視野を拡げて考える機会を設けています。

 今年度は、大学在学中からネパールで支援活動に取り組み、近年では現地に児童養護施設を設立して子どもへのサポートを継続されている 古川 十豊 氏(特定非営利活動法人Around The Table代表)をゲストスピーカーにお招きし、講義を行っていただきました。

古川 十豊 氏(Around The Table代表)

 講義では、古川氏がネパールで活動を始められた経緯や、現地の子どもたちが置かれている状況も交えながら、具体的な活動内容をお話いただきました。そのなかで、活動の根底にある思いも伝えていただきました。

 私たちは日々、ニュースやSNS等で様々な社会問題を目にする機会があります。ただ、そうした問題に気づきながらも、しばしば「仕方ない」、「誰かがやってくれる」等の理由で行動へ移そうとはしません。こうした「無関心の蓄積」こそが、数十年も同じ問題が残り続ける要因になっているのではないか、と古川氏は指摘されます。

 では、どうするか。「問題に気づいた一人ひとりが、できることから行動するしかない」。これが古川氏の活動の根底にある思いです。講義の締めくくりには、「貧困を理由に子どもたちが親と離れて暮らす必要が無くなるよう、今後は家庭への支援に力を入れていきたい」という展望を紹介していただきました。

 古川氏のお話から、受講生はそれぞれに自分自身をふりかえり、気付きを得ることができました。リアクションペーパーには、「自分も『誰かがやってくれる』と思っていたところがあった」、「自分一人では何も変わらないと思っていた」、といった自分自身への気づきに関わる内容が多数みられました。また、「道端に落ちているゴミに気づきながら拾わないこともまた、『無関心の蓄積』といえるのではないか。古川さんと同じことをする勇気は無いが、道端のゴミを拾えるようになりたいと思った」といった、「行動の重要性」への気づきに関する内容もみられました。

 誰もが生きやすいよう「社会を変えていく」ことは、まさにソーシャルワークが目指していることではありますが、どこか遠い話のようにも感じられます。しかし、「どんな社会を実現したいのか」をイメージしつつ、一人ひとりが、できることから行動を蓄積していくこと。これこそが、社会を変える原動力になることに気づかせていただく時間となりました。

【参考】

特定非営利活動法人Around The Tableホームページ

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