「ソーシャルワーク演習2」では、貧困(ホームレス)、認知症、虐待など、ソーシャルワークの支援対象となるテーマについて、具体的な事例を用いて支援方法を検討する授業を展開しています。また、テーマと関わりのある方々をゲストスピーカーとしてお招きし、実態に迫った知識を得る機会も設けています。
今年度は、昨年度に引き続き若年性認知症の当事者であり、また「まほろば倶楽部」代表として、認知症当事者やご家族の支援活動を行っておられる 平井 正明 氏をゲストスピーカーとしてお招きし、講義を行っていただきました。

平井 正明 氏(まほろば俱楽部 代表)
講義内容には、平井氏の経歴や経験をはじめ、「認知症」を捉える新たな視点や、サポートする側に求められる視点など、様々なメッセージを含めていただきました。それぞれの内容を説明していただくことを通じて、キーワードとしての「認知症」そのものの理解のみならず、高齢期をむかえていく人の変化や経験、また認知症の有無に関わらず、ともにどのような社会環境を創造していく必要があるのかを示していただきました。
受講生の感想には、認知症の捉え方や当事者と関わる上でのポイントなどを学ばせていただいた、という声が多数みられました。以下、一部を紹介します。
「自分自身が『古い認知症観』(認知症になったら何も分からなくなる、できなくなる)をもっていたことに気づきました。認知症になったら何もかもできなくなるわけではないし、やりたいことができるような環境づくりが重要だと分かりました」
「『水平の関係性』が心に響いた。認知症の人に限らず、何かをしてあげなければと思っていたが、『同じ人間』として接することが求められることが分かりました」
現在の「ソーシャルワーク演習2」の受講生は、この秋にソーシャルワーク現場へ実習に赴く予定です。今回の授業内容をふまえ、現場での出会いや経験から、さらに学びを深めていきます。
