【教員コラムNo,34】
国際看護という世界 ~ケニア編~  2026.04.08 医療学部看護学科受験生の方へ在学生の方へ在学生保護者の方へ受験生の保護者・高校教職員の方へ企業・一般の方へ # 医療学部# 看護学科# 教員コラム

ケニア側から見たキリマンジャロ山

「国際看護」と聞くと、皆さんは何を思い浮かべるでしょうか。多くの人は「発展途上国へ行って医療支援をすること」を想像するかもしれませんし、「英語が話せないから……」と尻込みしてしまうかもしれません。しかし、そのフィールドは想像以上に広く、そして私たちのすぐ足元にも広がっています。

国境を越えて働くグローバルな現場、国内の医療機関で向き合う多文化間看護の現場、感染症や災害など地球規模の課題に取り組む現場など、活躍の場はさまざまです。私は、関西国際空港から直線距離で約11,000km、東アフリカの玄関口であるケニアで、10年近く地域の人々の健康に関する調査やプロジェクトに携わっています。そこは、全く異なる文化、習慣、価値観、そして急激な経済発展と地方の伝統的な生活が混ざり合う、ダイナミックな世界です。

海外の医療に携わると、私たちが日本で培ってきた「看護の常識」が、心地よい音を立てて崩れていく瞬間があります。世界最先端のモバイルマネーによる遠隔医療がスマホ越しに命を繋ぐ一方で、病院のすぐ外には、古くから地域に根ざした家族の深い絆や、伝統的な死生観が今も大切に守られています。同時に、最新設備が整う私立病院と、明日の飲み水にも事欠く地域が隣り合う「格差」という峻烈な現実にも直面します。この圧倒的なコントラストの中で、「健康とは何か」という問いが、綺麗事ではない重みを持って突きつけられます。

異文化を理解するとは、単に相手を分析することや、自分の正解を押し付けることではありません。誰かにとっての正しさの追求ではなく、自分の『常識』という色眼鏡を一度手放し、相手を自分とは異なる存在として丸ごと受け入れる。そして、その違いを「豊かさ」として楽しむ柔軟性としなやかさを持つことだと思います。ご興味がありましたら、ぜひ世界に飛び出して、たくさんのことを見て、感じて、人と関わる経験をしてみてください。

文責: 医療学部 看護学科 准教授 高橋里沙 

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