【授業紹介】災害看護論 メディカルラリー 2025.11.18 医療学部看護学科教育・研究社会連携受験生の方へ在学生の方へ在学生保護者の方へ受験生の保護者・高校教職員の方へ # 臨床判断# 看護学科# 授業紹介

4年生の必須科目である災害看護論で、看護学生メディカルラリーを実施しました。1日を通して、被災者役、看護師実践者役となりました。実践者役では、3つのシナリオを体験し、災害看護論で習った知識をフル活用しました。

1.地震発災後の避難所

発災後3日が経過したところへ、避難所の環境や避難者の健康状態を把握するために派遣された看護師として実践を行いました。避難所には床に寝たきりの人、車いすに座っている人、赤ちゃんを連れたお母さん、徘徊する人、ペットを連れた人など様々な人がいたり、履物を持ち込んだりと衛生状況も不安定な状態で実践しました。質問攻めになってしまったり、確認事項を忘れてしまったりと、避難所活動について、学生それぞれが振り返りを行っていました。

2.地震発災後のトリアージ

押し寄せてくる傷病者合計20名に対してトリアージタグを用いて、START法と呼ばれるトリアージ方法を用いてトリアージを行いました。すでに講義で習っていたこともあり、トリアージはどのチームも素早く行えていましたが、傷病者リストまで作るのは難しかった様子でした。実際に重症傷病者対応時の緑タグ傷病者(軽症)への対応や黒タグ(救命不可能)を傷病者へつけるという医療者側の心のケアも考えないといけないと感じた実践でした。

3.感染症病棟での急変(心停止)

新興感染症も災害とされる昨今ですが、病院で感染症対策をしながらの急変時の対応は非常に過酷です。まずは、自身や他の患者を感染させない様に個人防護具(PPE)の装着、トランシーバーでのレッドゾーンとグリーンゾーンとのやり取り、心停止への心肺蘇生の実施…演習とわかっていても混乱しながら、既存の知識を活かして、チームで協力しながら実践していました。

この看護学生メディカルラリーは外部講師(天理よろづ相談所病院、奈良医科大学医学部附属病院、南奈良総合医療センター)の臨床看護師のご協力のもと行うことができました。そのため、より臨床に近く、被災者役の学生や実践した学生からは、「看護師から、”後で話を聞くから“と言っていたのに、被災者側からは聞いてもらえないとつらいと思う」や「今回は大学だったけど、臨床ではどうしたらいいですか?」、「もし看護師1年目になれたら、自分に出来るところはどこだろう?」といった声がありました。演習目標は、“それぞれのシナリオを実践することで、災害における看護師の役割を考えることができる”です。1回の実践で終わるのではなく、実践を振り返ることで、今後の学生の成長に期待します。


執筆者(医療学部・看護学科  佐野 真樹子・講師)

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