3年生は9月から始まった領域別実習で看護について学びを深めています。臨地実習の開始当初は、一つ一つの行動についてどうすればいいのか分からず、不安や無力感で涙を流す学生さんもいました。それでも、めげることなく毎日の関わりの中で患者さんを知り、その人に必要な看護を見出し、実践することで、泣き顔だったのが生き生きとした表情に変化していました。また、「先生、今日患者さんがね・・・・」と患者さんを主語にして看護を語ってくれるようになり、たった数日での学生さんの成長を感じるとともに、心の強さを実感しました。
看護基礎教育において、臨地実習は看護実践能力を育成するための中核をなす重要な教育活動です。臨地実習で学生は、患者さんとの関わりをはじめとして唯一無二の看護現象の中で専門職としての実践知を学んでいます。その過程では「いいこと」だけではなく、「心がチクチク」する経験をするのも事実です。しかし、心がチクチクする経験は決して悪いものではなく、看護者としての成長には欠かせないものだと思います。どんな経験であっても学生さんが「あの経験があったから・・・」と前向きに言えるような「いい経験」ができるようにサポートしたいと思っています。
執筆者(医療学部・看護学科 山田 忍・助教)