2025年度「野外教育実習」を開催
カヤックを通じた安全教育と自然体験を実習 2025.09.18 人文学部社会教育学科国際学部体育学部医療学部地域・企業との連携受験生の保護者・高校教職員の方へビジネスとつながる

天理大学では、9月9日~11日の3日間、モンベル五條店を拠点に社会教育学科専攻科目「野外教育実習」を実施しました。

今年で15年目を迎える本実習は、全学対象の集中講義として開講されており、カヤック体験を通じて川の組成やレスキュー技術を学びながら、野外活動の楽しさと危険回避の技術を身につけることを目的としています。

開講当初より、株式会社モンベルの辰野勇会長を非常勤講師(2010年~2017年)、客員教授(2014年~)として迎え、実習を実施。今年も辰野会長をはじめ、モンベル五條店のスタッフ、岡田龍樹副学長、蓬田高正准教授(体育学科)らが講師を務め、モンベル奈良五條ゲストハウスを拠点に、奈良吉野川流域での実技講習を含む2泊3日のプログラムが展開されました。

初日:開講式と基礎講義・実技

開講式の後、蓬田准教授より講義の目的や注意事項が伝えられました。
続いて辰野会長が登壇し、「アウトドア」の概念や自身と「カヌー」との出会いをエピソードを交えて紹介。「カヌー」と「ボート」、「カヌー」と「カヤック」の違いについて学生たちに分かりやすく解説しました。「リスクマネジメント」の重要性にも触れ、「ライフジャケット」の必要性を学生たちに伝えました。
また、「カヤック実習に積極的に参加し、そこから技術を身に付けた体験は、皆さんの今後の人生にとって必ず役に立つと思う。“術があれば乗り越えられる”ことを是非体験してほしい」と辰野会長は学生たちに語りかけました。

その後、学生たちは装備を整えて実習先へ移動。辰野会長による「パドル」の使い方の説明を受け、フォワードストローク(前進)、リバースストローク(後進)、スウィープストローク(曲げ漕ぎ)などの基本技術を練習しました。この実習には、西浦忠一理事長、永尾比奈夫学長も参加し、学生たちとともに、水を捉える難しさや身体全体を使って漕ぐコツなどを体験しました。

午後には、沈脱(転覆時の脱出)やドローストローク(カヌーを横移動させる技術)などの応用技術も体験しました。

2日目:講義と応用技術・レスキュー技術の習得

午前中は川の組成やロープワークに関する講義を受講した後、着替えてフェリーグライド(川を横切る技術)、ストリームイン・アウト(川の流れに入ったり、出たりする技術)などの応用技術を習得しました。午後には、レスキュー方法の習得や、ロングツーリングに向けたスカウティング(下見)を実施しました。

3日目:ロングツーリングと振り返り

最終日は、約8kmのロングツーリングを実施。午後にはツーリングの振り返りとともに、3日間の実習全体を通じた学びの共有が行われました。

学生たちは、野外教育の意義や基本技術、自然環境に潜む危険とその回避方法について、実践を通じて深く学ぶことができました。

天理大学と株式会社モンベルは、2017年に包括連携協定を締結。2024年4月には「天理大学・モンベル共同体」を結成し、アウトドアショップ「モンベル天理店」の運営や、天理駅前広場コフフンの活性化、観光・農業振興、人材育成などに取り組んでいます。

天理大学は、今後も、株式会社モンベルをはじめとする連携企業とともに、本学が持つ多彩な資源を活用した共同研究や地域貢献事業を展開していく予定です。

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