
天理大学では、創立百周年記念事業の一環として設立された「BRIDGEプロジェクト」の連続講義「世界の中の日本」を、6月26日(水)および7月10日(水)の2日間にわたり開催しました。
「BRIDGEプロジェクト」は、国際舞台での活躍を志す学生を支援することを目的とした取り組みであり、「外交官養成プロジェクト」や「国際参加プロジェクト」などをつなぐ“CONNECT” プラットフォームとして位置づけられています。
今回の連続講義は、同プロジェクトの初事業として実施され、外務省での豊富な経験を持つ講師2名をお招きし、「外交官養成セミナー」や「国際参加プロジェクト」メンバーをはじめ、「在外公館派遣員制度」に関心を持つ学生を対象に開催されました。
第1回講義(6月26日)
会場:杣之内キャンパス「iCAFé」
講師:山本条太 特命教授(元オマーン大使)

山本特命教授は、自身の外交経験をもとに、「『世界の中の日本』を理解するには、昭和前史と昭和史を心で学ぶことが重要」と語り、各国が大切にしている記念日や文化を理解したうえで、同年代の外国人との交流を深めることの意義を強調しました。
また、「物事を正しく判断するには時間が必要。落ち着いて考えることが大切であり、時には様子を見ることも求められる」と述べ、学生たちはその言葉に真剣な表情で耳を傾けていました。
講演後の質疑応答では、「海外で働く人材として必要な素質とは」との質問に対し、「周囲に振り回されない『鈍感力』と、日々の小さな変化に気づく姿勢の両方が、安全を守るうえで重要」とアドバイスがありました。
第2回講義(7月10日)
会場:杣之内キャンパス 「情報ライブラリー」グリーンエリア
講師:山地秀樹 客員教授(元セブ総領事)

山地客員教授は、「自己紹介と外務省での経験」「外務省人生で出会った尊敬すべき若者」「国際社会から見た日本」の3つのトピックを中心に講演を行いました。国際情勢をつぶさに分析してきたご自身の経験をふまえ、今後の日本のあるべき姿について真摯に考える必要性を強調されました。また、約40年間にわたる外務省勤務を通じて感じた、日本人の「気づかい」や「思いやり」の素晴らしさについても語られ、学生たちはその言葉に深く共感していました。
講演後の質疑応答では、海外情勢に関する質問だけでなく、将来に対する悩みや疑問など、学生たちが率直に思いを語る場となり、活発な意見交換が行われました。
今回の連続講義は、世界を舞台に活躍するための視点やヒントが詰まった、学生にとって非常に有意義な学びの機会となりました。
「BRIDGEプロジェクト」では、今後も教職員が連携しながら、学生の成長を支援する講演やイベントの企画・実施を継続してまいります。