精神保健福祉士を目指す2年生がフィールドワーク
2025年5月31日、社会福祉学科で精神保健福祉士を目指す2年生が、ハンセン病に関する理解を深めることを目的に、岡山県瀬戸内市にある国立療養所・長島愛生園を訪問しました。
このフィールドワークは、長島愛生園の訪問を通じて、ハンセン病にまつわる差別や偏見の歴史の重みを実感し、精神保健福祉士として求められる倫理観を養うことを目的としています。事前学習では、ハンセン病の歴史だけでなく、精神障害のある人々の社会的背景や、旧優生保護法に関する学習にも取り組み、理解を深めてきました。
当日は、長島愛生園歴史館にて、職員の方からハンセン病の歴史、療養所の役割、そして隔離政策の背景とその影響についてご講義いただきました。その後、実際に園内を見学し、かつての暮らしや当時の状況についてのお話を伺いました。
学生たちは、展示資料や職員の方の説明を通じて、過去の歴史を自分ごととして受け止め、将来専門職としてどのような姿勢で人と向き合うべきかを考える貴重な機会となりました。


参加学生の感想
渡辺 紗英さん(聖隷クリストファー高校出身)
職員の方から入所されていた方々のお話を聞かせていただき、言葉ではうまく表せないような複雑な感情がこみ上げてきました。これまで大学での学びを通じて、差別や偏見をなくしていくには「知識」が必要だと考えていました。しかし、「無関心の第三者にならないことが大切」と教えていただき、知識がまだ十分でない今の自分にもできることがあるのだと気づくことができました。
吉田 和輝さん(天理高校出身)
実際に園内を歩きながらお話を伺ったことで、「当時この地に足を踏み入れた方たちは、どんな思いでこの景色を眺めたのだろう」「どんな気持ちでこの道を歩いたのだろう」と想像することができました。大学に入学する前の自分では、こうした思いを抱くことはなかったと思います。今回の経験を忘れず、これからも多くのことを学び続けていきたいです。
社会福祉学科では、今後も現場での学びを大切にしながら、専門性と人間性を兼ね備えた精神保健福祉士の育成に努めてまいります。

