
JICA海外協力隊2024年度9次隊(短期派遣第2回)の隊員としてエジプトに派遣されていた、天理大学柔道部員3名が、5月1日、永尾比奈夫 天理大学学長、穴井隆将 天理大学柔道部監督らとともに、天理市の並河健市長を訪ね、帰国報告を行いました。
冒頭、JICA関西の大井明子 市民参加協力課長が挨拶に立ち、「天理市・天理大学・JICA関西という、三者が一つのチームとなって、JICA海外協力隊(連携派遣)に留まらず、派遣された柔道部員による天理市内小学校での開発教育・国際理解教育の推進等、多層的な事業を展開している取組は全国的にも珍しい。」と三者連携について話しました。そして、「隊員3名からの『この活動を後輩に勧めたい』との言葉が嬉しかった。この事業にさらに付加価値を生み出すため、我々JICAとしても積極的に取り組んで行くという思いを新たにした」と述べました。

続いて派遣隊員を代表して、大賀陸生隊員が帰国報告を行いました。大賀隊員は、「エジプトのナショナルチームは体が大きく力もあり、柔道スタイルが日本人とかけ離れていたので、初めは焦ったり戸惑ったりした。しかし、エジプトチームの皆から声をかけてくれ入りやすい環境を作ってくれたおかげで、互いに技を教え合うなど、自分たちが得るものも多かった。海外体験は柔道だけでなく人生にも貴重なものだと思うので、後輩にも勧めていきたい」と語りました。

大賀隊員の報告を受けて、柔道部監督の穴井隆将准教授は、「第1期派遣後の学生たちの天理市内での活動が、今回、現地のEJS(エジプト日本学校)見学をはじめ、幅広い活動につながったと思う。この事業を末永く続けていくために、様々な角度からの意見を加えながらよりよい派遣となるように尽力したい。」と、今後の取り組みについての希望も述べました。

次に並河健市長が挨拶を行い、「この事業には、『幅広い視点から学生を育成する』という穴井監督のご理解があり、ビジョンを持って学生さんに呼びかけてくださったことで実現している。学生さんには、今回の経験を次につなげていただきたい。市内の小学校では、海外に関心をもってもらえるような話をしていただけたら嬉しい」と話しました。

報告会の最後には、永尾比奈夫学長が挨拶に立ち、「皆さんが貴重な体験ができ無事に現地で過ごせたのは、このプロジェクトがあってこそだと思う。『ペイ・フォワード(pay it forward) 』の精神をもって、今後、いろんな活動を通して将来へつなげてほしい。期待している。」と、学生たちに呼びかけました。

記念撮影後の歓談の場では、並河市長や永尾学長らが隊員たちを労うとともに、「エジプトで印象に残ったことは何か」と尋ね、隊員たちからは、「交通量の多さ」「人柄の良さ」「時間感覚の違い」など、様々な感想が語られ、終始和やかな歓談の場となりました。

なお、今回の帰国報告に先立ち、4月24日、JICAの田中明彦理事長が天理市役所を訪れ、並河市長らと今後の交流などについて懇談。その後、関係者らと本学武道場を訪れ、柔道部の練習を見学しました。

今回のJICA海外協力隊の短期派遣に参加した隊員は以下のメンバーです。
- 大賀陸生さん(体育学科3年・福岡大学附属大濠)
- 井手凱王さん(体育学科3年・天理)
- 河合瑞葉さん(体育学科3年・科学技術)