
9月27日、天理大学医療学部看護学科は、別所キャンパス講堂にて「看護宣誓式」を挙行しました。看護学科2年次生が出席し、看護専門職への道を歩み始める決意を新たにしました。
「看護宣誓式」は、看護学生が専門職としての道を本格的に進むことを自ら誓う儀式であり、フローレンス・ナイチンゲールがクリミア戦争で「キャンドルを持った聖女」と呼ばれたことに由来しています。
天理大学では、前身である「天理高等看護学院」開校以来、天理教教会本部教祖殿からいただいた「おあかり」に看護の精神を込めて誓うセレモニーとして、この儀式を大切に継承してきました。

厳かな雰囲気の中で始まった式典では、まず、島田勝巳副学長が挨拶に立ちました。島田副学長は、「看護宣誓式」を“イニシエーション=通過儀礼”と位置づけ、「人に尽くすことを自らのよろこびとする」という医療学部の理念がナイチンゲールの看護理論と共鳴することに触れ、「臨地実習ではその真髄を感じてほしい」と学生たちを激励しました。

続いて、「天理よろづ相談所病院」日村好宏院長が登壇しました。「医療とは人との関わりがあってこそ成立するもの。臨地実習では、本院の『笑顔と親切』というモットーを肌で感じ、看護師という職業の尊さを体験してほしい」とエールを送りました。
そして式典は、看護の灯をつなぐ誓いの儀式へと進みました。呼名された学生たちは一人ずつ壇上へ登壇。江南宣子看護学科主任が「おあかり」を学生代表・中畝正太郎さん(看護学科2年次生・天理)の燭台に灯し、その灯が仲間へと順に手渡されました。


全員の手元に灯が届いた後、学生たちは「ナイチンゲール誓詞」を唱和。中畝さんが代表として、今後の決意を力強く宣誓しました。


最後に、小松方医療学部長が挨拶を行いました。医療学部の前身である「天理高等看護学院」「天理衛生検査技師学校」が1967年に開校した際、創設者・中山正善二代真柱が「“笑顔と親切”は医療の基礎であり、そこに技術が加わってこそ看護である」と語ったことを紹介しました。
また、「臨地実習では、技術の習得だけでなく、相手の心を我が心として受け止める“天理の看護”を学んでほしい。困難に直面したときは、講堂に掲げられている『一手一つ』の言葉を胸に、仲間と助け合いながら乗り越えてほしい」と、学生たちに期待を込めた言葉を贈りました。
式典終了後、学生たちは天理教教会本部へと移動し御礼参拝を勤めました。


看護学科2年次生は、仲間とともに誓った言葉を胸に、その責任の重さを自覚しながら、秋学期から始まる「天理よろづ相談所病院」での臨地実習に臨みます。

