日本の人口減少と共に他国に類を見ない少子・高齢化の進展は、2040年には超高齢社会への突入から労働力の不足、経済停滞、社会保障費の増大、医療・介護サービスの需要の急増が予想される中、人と人、人と社会がつながり支え合う新たなアプローチとして地域共生社会が求められてきています。
看護師には従来型の病院中心、医療従事者主導の医療から地域包括ケアシステムの中での役割遂行が求められるようになってきており、看護教育においても療養の場の拡大を踏まえ地域の多様な場での看護実践を目指し2022年度からカリキュラムが改正されました。天理大学医療学部看護学科でも1年次春学期の「地域の暮らしと看護」から4年次春学期の「在宅看護学実習」と「地域共生マネジメント実習」まで4年間にわたった地域での看護実践カリキュラムとなりました。
「地域共生マネジメント実習」では、地域包括支援センターや育児支援グループで実習を行い高齢者や子育て世代の人々が地域でどのような暮らしをされているのか、地域住民と多専門職種等が一体となった地域つくりの中での看護の役割を学びました。今回の実習で学んだことが卒後活かされてくることは間違いなく、これからの看護の在り方を模索する良い機会になったことと思います。これもひとえに実習施設の皆様のご協力があったからと感謝いたします。
医療学部 看護学科 地域・在宅看護学領域 尾ノ井美由紀 教授