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 【宗教学科】

新入生・在校生への教員メッセージ① 宗教学科 島田勝巳 教授

新入生の皆さんへ

新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。

期待に胸を膨らませて大学生活の始まりを迎えていただくはずでしたが、新型コロナウィルスの猛威を前に、誰もが先の見えない不安を抱えている状況の中、こうした文書での最初の挨拶という形になってしまいました。

私は現在宗教学科の主任を努めている島田勝巳です。天理教の教会に生まれたこともあり、天理教をベースに、「宗教」と呼ばれる現象全般に広い関心を持つようになりました。結果的に、もうずいぶん長い間、宗教学という学問分野に身を寄せてきました。おそらく皆さんの多くも、同じような事情からこの宗教学科を選んでくれたのではないかと思います。

私の専門はキリスト教の神学の歴史で、特に中世末期(15世紀)の西洋カトリック世界に生きたニコラウス・クザーヌス(Nicolaus Cusanus, 1401-1464)という神学者の思想を中心に研究をしています。「キリスト者でもないのに、キリスト教の研究?」と思う人もいるかも知れません。でも、皆さんがこれから学ぶ宗教学は、「他者の宗教・信仰を通して、自らの宗教・信仰をより広く、より深いものにしていく」という姿勢を根本に据えています。このことを心の片隅に置きながら、宗教学科での学びを重ねていっていただければ、宗教学の面白さが次第に実感できるようになるかも知れません。

一年次生の春学期には、私は「宗教史概説I」という必修科目を担当します。ユダヤ教・キリスト教・イスラームという、「アブラハムの宗教」と呼ばれる伝統についての大まかな紹介です。おそらく皆さんにとっては、「聞いたことはあるけれども、よく知っているわけでもない」といった宗教伝統だと思います。この授業では、特に教科書として指定しているものはなく、必要な資料は授業の中で配布するつもりでした。でも、今すぐにでも何か読んでみたいと思う人には、ぜひ次の本をお勧めします。

山我哲雄『キリスト教入門』岩波ジュニア新書、2014年(¥990)

これは、2年次生以降の学生を対象とした私の「宗教史特殊講義3」(春)という授業のテキストとして用いているものですが、予めこの本に目を通していただければ、この授業の内容もかなり分かりやすくなると思います。現在は大学図書館、情報ライブラリーは閉館中なので、興味のある人は、ネットで購入していただければと思います。

では、教室で皆さんに直接お会いできる日を楽しみにしています。

二年次生の皆さんへ

多くの二年次生の皆さんには、春学期は「宗教史特殊講義3」という選択必修の科目でお会いすることになると思います。一年次生の必修科目「宗教史概説I」で学んだ「アブラハムの宗教」(ユダヤ教・キリスト教・イスラーム)についての理解をベースに、この講義では特にキリスト教の歴史を、その母胎となったユダヤ教の歴史(『旧約聖書』)から説き起こし、『新約聖書』に描かれたイエスという人物の教説を中心に解説していきます。テキストは、上述の山我哲雄『キリスト教入門』(岩波ジュニア新書、2014年、¥990)です。この本は、信仰対象としてのキリスト教という視点ではなく、一つの歴史的現象としてのキリスト教について、分かりやすく論じている良書です。何とか入手して、授業開始前に、各自目を通していただければ有り難いです。

二年次生の段階で履修できる必修科目・選択必修科目の単位の多くを取得できれば、三年次からはかなり余裕を持って大学生活を送ることができるようになるはずです。

三年次生の皆さんへ

三年次生の必修科目としては、「宗教研究演習1・2」というゼミ(演習)形式の授業を履修していただきます。これは3つのクラス(岡田正彦先生、澤井治郎先生と私)に分かれて、皆さんがこのうちどれか一つを選択して履修するという形になります。この点は特に履修の際に気をつけて、必ずシラバスをよく読んだ上で、自分の取りたい演習を登録して下さい(人数調整をする可能性が高いので、後に登録の修正をしていただくこともあるかも知れません)。

私の「宗教研究演習1・2」では、宗教学関係のテキストを読みながら、宗教学の基本的な概念や理論を身につけることを目指しています。興味のある方は、ぜひシラバスをチェックしてみてください。

また、4年次に進級するためには、3年次が終了する段階で80単位以上の取得が必要です。自分の成績表をよく確認して、単位の取りこぼしのないように履修して下さい。

四年次生の皆さんへ

四年次生の学習の中心はもちろん卒業論文です。既に宗教学科共同研究室の掲示板に告知してある、自分自身の卒論担当の教員の「宗教課題演習1・2」(いわゆる「卒論ゼミ」)を履修していただくことになります。現在は図書館・情報ライブラリー共に利用できないため、オンラインで何とか資料を集める努力をしてみて下さい。天理大学情報ライブラリーのHPから「TEA-OPAC(蔵書探索)」に入ると、CiNiiで本や論文を調べることができます。5月のGW明けまでには、しっかりとした「参考文献リスト」を作成しておいて下さい。

また、論文の書き方に関するいわゆる「ノウハウ本」はいろいろありますが、卒論を大学生活の集大成としてぜひ成功させたいと真剣に考えている人には、以下の一冊をお勧めしておきます。

上野千鶴子『情報生産者になる』ちくま新書、2018年(¥920)

この一冊さえあれば、きっと上野先生のようなキレキレの論文が書けるはずです。

最後に、新型コロナウィルスの猛威について想うこと…

最後に、宗教学科で学ぶ皆さんには、今世界を震撼させているこの疫病について、少しだけでも深く考える努力をしていただければと思います。

「死」や「病」というテーマは、人類の歴史と共に、宗教の歴史と共に、人間の「生」にとって根本的な課題であり続けてきました。世界の宗教伝統や偉大な思想家たちは、こうした問題をめぐる深い思索を重ね、叡智を築き上げてきました。今、私たちの目の前で生じている出来事は、宗教や思想というプリズムを通して見ると、ネットやメディアで流通している情報とは違った形で見えてくるものがあるかも知れません。

たとえば、全知全能であるはずの神が、なぜ人間に対してこのような災厄をもたらすのか…こうした疑問は、神学や哲学で「神義論」と呼ばれることになるとても深い思索の伝統を作り上げてきました。

また、現下のコロナ禍で、宗教の共同礼拝の場がクラスターの感染源になっているということが、世界各地のさまざまな宗教伝統において報告されています。宗教ではなぜ「集う」ことが大切なのでしょうか?こうした疑問に答えようとしてきたのは「宗教社会学」と呼ばれる領域です。

さらに、天理教の信仰に繋がる人は、明治32年11月23日の「おさしづ」を(手元にあれば)ぜひ読んでみて下さい。そしてその含意について、それぞれに深く思案をしてみてはどうでしょうか。

私たちは今、全人類が一つの疫病に脅かされているという、歴史的にもとても稀有な出来事の只中に立たされています。しかも、この人類共通の脅威に対し、各自が距離を取り、ばらばらの状態で耐え抜かなければなりません。こうした矛盾に加え、さらには、人類共通の脅威に対峙するために、それぞれの国家の力に頼らざるを得ないという逆説も生じています。私たちは、「私たち」について、一体どのように考えれば良いのでしょうか。

一見、完全に出端を挫かれたようなこの春の暗澹たる経験を、宗教学科での学びを通して、ぜひとも私たち自身の思索の広がり、深まりの経験へと、転化させていければと思います。

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