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 【宗教学科】

宗教学科 オリジナルコラム−法王フランシスコの新たなビジョン(2013年11月3日号)

 法王フランシスコの新たなカトリック教会のヴィジョンが、教会内のみならず、メディアを通して多くの人々の関心を集めている。

 話題になったのは、9月に自らの出身修道会であるイエズス会の月刊誌のインタヴューで語った内容である。

 その中で法王は、教会を「野戦病院」に喩え、細かな規則に拘る狭量さよりも、社会的弱者に対する癒しや、社会的諸問題に対する寛容さの必要性を訴えている。

 それは具体的には、中絶や同性婚、避妊といった性をめぐる問題に関心を傾注しがちだった従来のカトリック教会の立場を見直そうとする姿勢である。もちろんそれは、従来の教会の見解を変更しようとするものではない。

 新法王が強調するのは、教理上の規則と慈愛とのあいだに、“新たなバランス”を見つけることである。さもなければ、「教会の道徳的な体系は、カードで作った家のように崩れてしまうだろう」と語っている。

 これは、現代社会の変化に適切に対応しきれていないカトリック教会の現状に対する、法王自身の危機感の表れである。

 こうした法王の新たなヴィジョンは、全世界のカトリック教会では概ね、驚きと喜びをもって迎えられている。前法王ベネディクト16世が、社会問題に対して保守的な姿勢を取っていただけに、特にそれは顕著に映るのだろう。

 さらに、法王の発言に対する好意的な反応の要因として、語られた内容のみならず、その平易な言葉づかいや素朴な語り口も挙げることができる。就任直後から「貧しい人々による貧しい人々のための教会の望む」と語っていた法王である。信者や社会全体に対し、親しみやすい態度で、より平易な言葉で語りかけるのも頷ける。

 しかも、そうした非権威主義的で直接的な姿勢は、ソーシャルメディア時代においては、実は人々の共感を得るための最大の武器にもなり得るのである。

 今後のカトリック教会が、この新たな法王のもと、自らの信条に根ざしながらも、いかに時代の急速な変化に対応していくのか—。世界が注目するところである。

 

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