法蔵館・2025年12月刊・全320頁・本体6,000円+税

本書は、令和7年度天理大学学術図書出版助成の交付を受けて出版されました。これまで『天理大学おやさと研究所年報』に執筆してきた諸論文を再構成して、首尾一貫した内容のものにしてまとめた学術研究書です。
天理教の独自概念「時旬(ときしゅん)」に注目し、近代日本の「時局」に対する教団の応答を追究した内容です。明治末期から戦後再建期までの約40年余りの激動の時代、「時旬」と「時局」とが“合図立て合う”中で、天理教は教団としての歴史を刻んできました。
本書の特徴は主に次の3点です。
① 明治・大正・昭和期の『みちのとも』などの記事を縦横に駆使して、天理教の公的言説及び実践、また内的葛藤について詳しく描いたこと。
② 当時の秘密資料『特高月報』や『思想月報』などから、天理教に対する国家当局の報告を掘り起こして丁寧に分析したこと。
③ 天理教が独自概念「時旬」の下、そのつどの国家の「時局」にいかに対応してきたかを跡づけ、天理教的歴史哲学の可能性について考察したこと。
【目次】
序章 近代日本の時局と天理教教団
第一章 天理教と国民道徳運動―明治末・大正初期の時局対応
第二章 天理教の〝大正デモクラシー〟―大正中期の時局対応
第三章 治安維持法体制下の天理教―大正後期から昭和初期の時局対応
第四章 『特高月報』『思想月報』に見る天理教―政府による干渉と教団の対応
第五章 戦時体制から民主体制への大転換期の中の天理教
結語 時局と〈時旬〉―戦後八〇年目の歴史的教訓