嵯峨大念佛狂言保存会による嵯峨大念佛狂言秋季公演の見学、 および狂言堂内部の見学・レクチャー 2025.11.11 国際学部日本学科(留学生対象)在学生の方へ6つのCONNECT地域社会とつながる

実施日 2025年10月26日 12:30~17:00

今期の日本文化体験実習Ⅱでは、計4回の実地調査と1回の臨地見学を予定しています。実地調査では、京都を代表する民俗芸能であり、国指定の無形民俗文化財になっている嵯峨大念仏狂言を事例に、地域に根付き住民が伝承してきた民俗芸能を通じて、日本の各地域に根付いている伝統文化の体験を受講学生(留学生)にさせるとともに、卒業研究のなかで学生が各自で取り組むフィールドワークの練習として聞き取り調査を実施し、簡易な報告レポートの完成を目指しています。

秋期公演で演じられた「大黒狩」

第1回目となる現地調査では、2024年度に引き続き、嵯峨大念佛狂言保存会様に協力を賜り、同保存会が主催する秋季公演を見学させていただきました。
京都の西郊、嵯峨野地区に位置する五台山清凉寺境内の嵯峨狂言堂(京都市右京区)を拠点に地域に伝承される、京都の三大念佛狂言のひとつ、嵯峨大念佛狂言を継承しているのが嵯峨大念佛狂言保存会です。
嵯峨大念佛狂言は、現存する資料から考えると約500年以上の歴史をもち、春と秋に定期公演をおこなっており、保存会は令和7年で50周年を迎えています。

公演の見学に先立ち、参加した学生のために同保存会事務局長に御案内いただき、一般客があがることのできない狂言堂二階の舞台でお囃子や舞台装置の説明をいただきました。
その後、一階の楽屋にて、舞台裏の見学と演者が狂言面を付けた場合の視界の狭さなどを体験させていただきました。
生憎の雨模様の中でおこなわれた公演では、「蟹殿」、「大黒狩」、「紅葉狩」の三演目を他の鑑賞客とともに鑑賞しました。
嵯峨大念佛狂言の魅力は、地域住民はもとより、他の民俗芸能、行政、研究者など多くの関係者と深く結びつきながら、自分たちの民俗芸能の普及啓発活動を、次代への継承にむけた義務としてではなく、今を楽しみながらやるべきことに取り組んでおられる保存会各人の行動力に最大の魅力や面白さがあると私は思っています。

小雨の中で行われた秋期公演の様子

さて、参加した学生は、彼ら/彼女らの何を観て、何を感じ取ったのでしょうか。次回の聞き取り調査の実習では、今回感じ取った素直な思いを胸に、保存会へのインタビューや参与観察のなかで、地域文化の魅力を発見し、カタチあるものにしてくれることを期待しています。

日本学科(留学生対象) 講師 長谷川 奨悟

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