実施日:2025年10月11日
天理大学は2025年に創立100周年を迎えました。100周年記念行事として国際学部では国際学部市民講座「世界のことばとぶんか」と題して、学部で学べる10の言語をリレー形式で紹介する市民講座を行っています。


日本学科(留学生対象)は10月11日、「マンガでつながる世界と日本」と題し、漫画家の金巻とよじ先生を講師に迎え、イベントを行いました。天理駅サテライトキャンパス (天理駅南団体待合所)を会場に3部構成で行った本イベントには40人をこえる方々が参加してくれました。
第1部 講演 「日本の漫画の魅力とはなにか: 『鬼滅の刃』のキャラクター・ストーリーから考える」
第1部は金巻先生により、今も高い大人気を誇る『鬼滅の刃』を題材に、日本の漫画の魅力についてキャラクター(登場人物)とストーリーから分析する講演が行われました。金巻先生は、小池一夫、司馬遼太郎といった著述家の言を引き、古典から新作までさまざまな漫画を例に出しながら、『鬼滅の刃』の主人公竈門炭治郎と仲間たちの魅力に加えて、最大の敵である鬼舞辻無惨の「ライバル」としての魅力、敵として登場する鬼たちの持つ魅力までも熱く語ってくれました。



第2部 本学留学生との対談 「わたしの母国での日本マンガ体験」
第2部では、日本学科の2人の留学生が母国での日本マンガ体験を語ってくれました。
ウクライナ出身の学生は、かつてはウクライナ語で読める日本の漫画が「レア・ポケモン」のように珍しかったこと、最近では漫画家がウクライナの読者向けにウクライナ語版限定イラストを寄せるなど日本の漫画文化が広がっていることを報告してくれました。香港出身の学生は、漫画・アニメが日本と文化を知る窓口となっていたと語り、特に『クレヨンしんちゃん』の主人公一家が1日の疲れを飲み物で癒す団欒シーンに「生きていてよかった」というメッセージを受け取っていたと語ってくれました。金巻先生からのコメント・質問もあり、和やかな雰囲気で第2部は進行しました。




第3部 実践指導 みんなで挑戦「誰でも書ける4コマ漫画」
第3部では、金巻先生が描いたオリジナル4コマ漫画を使い、「誰でも描ける4コマ漫画」と題して実践指導が行われました。この実践では、3本のオリジナル4コマ漫画の第4コマ目を空白にした「漫画シート」を使って実際に4コマ目(物語のオチ)を考えて描いていきました。
シート配布後、金巻先生から人物の描き方に関する簡単な講義が行われ、さっそく参加者たちは漫画作成に取り組みました。先生は参加者のあいだを何度も巡回し助言と指導を行い、参加者もそれに応え熱心に実践に取り組んでいました。
最後に、先生による4コマ目が披露されると、会場のあちこちでオチに対する驚きや笑いが起こり、また、自分や周りの参加者の作品への感想が聞こえてきました。
金巻先生が何度も「みんな、ほんまに上手やなあ」と言っていたことが印象的でした。




開会に引き続き、学科主任から閉会の挨拶が行われ、大盛況のなかで今回の講座は幕を閉じました。講師を務めてくださった金巻とよじ先生、当日会場に来てくださった参加者の皆様に感謝を申し上げます。また、会場設営に協力くださったスタッフの皆様にも合わせて感謝申し上げます。

日本学科(留学生対象)専任教員 松永稔也