天理市と大韓民国・瑞山市との交流活動をサポート 2025.08.27 国際学部韓国・朝鮮語学科社会連携地域・企業との連携天理市行政施策貢献学生認定制度世界とつながる地域社会とつながる

天理市と大韓民国・瑞山市

本学が位置する天理市と大韓民国瑞山(ソサン)市は34年間の交流の歴史があります。昨年度に引き続き、天理市内4つの中学校から11名の生徒が選抜され、2025年7月9日から7月11日までの3日間で瑞山市教育支援庁および瑞山市庁を表敬訪問し、また瑞山明智中学校の生徒たちと交流活動を実施しました。

今回の訪問には本学韓国・朝鮮語学科の高地朋成准教授と4年次在学中の学生2名(川原彩楓さん、後藤幹弥くん)が通訳者として同行し、現地での交流活動および学びが円滑に行われるようサポートしました。なお、今年度の10月には瑞山市の中学生200名ほどが天理市内の中学校を訪問する予定であり、その際には本学の在学生たちが通訳ボランティアとして交流活動のサポートをする予定です。このように本学の韓国・朝鮮語学科では地域社会と密接な連携を構築し、在学生たちは、本学で培った韓国・朝鮮語のスキルや韓国の社会や文化に対する造詣を社会貢献活動の場でも活かしています。

瑞山教育支援庁を表敬訪問
瑞山明智中学校との交流場面
瑞山海美邑城でのフィールドワーク(左から川原さん、後藤くん)

事前研修

なお、天理市中学生使節団の韓国訪問に先がけて3回実施された事前研修には、高地朋成准教授と長森美信教授が講師として協力しました。

6月14日に実施された第1回事前研修「韓国・朝鮮語講座」の様子
(講師は高地朋成准教授)
6月28日に実施された第2回事前研修「韓国の歴史と社会」の様子
(講師は長森美信教授)

参加学生コメント① 川原彩楓さん(韓国・朝鮮語専攻4年)

[参加を決めた理由]
韓国外国語大学校に交換留学をするまで、私はこのような交流事業をはじめ大学の行事やサークル等には参加してきませんでした。留学という完全に新しい経験をしたことで、挑戦することの楽しさや貴重さを知り、残りの学生生活は何にでも挑戦していこうと考え、通訳サポート学生として今回の交流事業に参加することにしました。

[1日目]

仁川空港に到着後、掲示板など周りの文字が全部韓国語で書かれており、それらを見た中学生たちがワクワクした様子でいたのがとても印象に残っています。
それから、瑞山市教育支援庁へ向かいました。私もこのような場所に行くのが初めてだったので中学生たちと同じくらい緊張していたと思います。私たちを歓迎してくださる方々や、席に置かれた「通訳」の文字に並ぶ自分の名前を見て、緊張と共に嬉しさで胸がいっぱいになるような感覚でした。
夕食にサムギョプサルを食べながら中学生たちといろんな話をして、初日から仲良くなることができました。

瑞山市教育支援庁で歓迎セレモニー
天理大学国際学部の通訳席

[2日目]
この日は、まず、瑞山明智中学校との交流会を行いました。この交流会が一番記憶に残っています。明智中の学生たちは明るくて先生方とも仲が良く、私が思い描いていたような韓国の学生でした。校舎も綺麗で給食も美味しく、素敵な中学校でした。1対1のペアで校舎の案内をしている時、すぐに仲良くなる子や人見知りをして気まずそうにしている子など様々で、その後ろについていって応援しているうちに、中学生に戻りたいなと本気で思ってしまいました。中学生たち1人1人が緊張しながらも楽しく、意味のある時間を送っているなと感じました。

明智中学校での歓迎コンサート
生徒さんたちの給食時間

次に向かった瑞山海美邑城は、昔のままの塀や敷地が残っていて、実際にドラマを通してみていた韓国の昔の雰囲気を感じました。気温が高かったのでゆっくりとはできませんでしたが、歴史を感じる場所へも行くことができてとても良い経験になりました。

夜は、ソウルの明洞へ女子中学生5人を引率しました。服屋さんを回り、みんなそれぞれ好きな服やお揃いの服を買っていて、楽しい時間を過ごしました。ホテルへ帰ってからは、私たちの部屋に全員が集合してUNOをしました。修学旅行気分が味わえて楽しかったです。            

[3日目]
最終日は、景福宮に行きました。私は2回目の訪問でしたが、久しぶりに見ることができて嬉しかったです。前回訪れた時とは違い、ガイドさんの説明があったので歴史的な話がたくさん聞けたのも良かったです。お土産屋さんでは、ガイドさんや高地先生に流行りのお菓子や伝統菓子の話を聞けて、1人で買い物する時とはまた違う体験だったなと感じました。

[感想]
私はこの交流事業に参加して、まず通訳サポートという初めての経験ができたことが何より嬉しく私自身の学びにもなりました。実際、現地でもっと積極的に話せたなという気持ちや、中学生に説明をする時もっと分かりやすく伝えられたなという思いがあり、反省する点も多かったです。このような気づきがあったことが、私を成長させるきっかけになったと思います。

また、国境を超えて交流し、お互いの文化に触れることの大切さを身をもって知りました。10月から天理の各中学校で行われる交流会では、このような反省点、感じた点を活かして、より良い交流になるように努めたいです。このような機会を設けてくださったすべての関係者の方々に感謝いたします。 

最後に、本当に密度が濃く有意義な時間を一緒に過ごした中学生のみんなに私の気持ちやお礼を言う機会がなかったので、こちらに記させていただきます。
「3日間お疲れ様でした。ほとんどの中学生が初めての海外ということで、本当に楽しみにしていることや、同時に緊張もしている姿を見て、私も共に楽しみ、共に緊張しました。私はこの3日間を通して、みんなからたくさんのことを学びました。一番の学びは、みんなが自分の意思でこの交流会に参加するという挑戦をしたことです。私は20歳で初めて留学という新しい挑戦をしましたが、新しいことに挑戦するのは決して簡単なことじゃないと実感しています。みんなが積極的に明智中との交流会に参加し、韓国語の文章を覚えている姿を見て、心の底からすごいなと思いました。そして、私個人にとっては本当に大切で忘れられない3日間になりました。中学生に沢山話しかけるべき私が、最初人見知りしてしまいましたが、みんなにすごく助けられました。少し歳が離れているのにも関わらず、気さくに話しかけてくれて本当にうれしかったです。短い期間だったけど、心が素直で素敵なみんなと仲良くなれて、一気にたくさんの友達や、妹・弟ができたみたいで、本当に嬉しかったです。私も今回の交流事業で感じたことを忘れずにこれからも頑張るので、みんなも頑張ってください。きっと素敵な毎日が待っています!3日間ありがとうございました。」

参加学生コメント② 後藤幹弥くん(韓国・朝鮮語専攻4年)

私は、7月9日から11日の2泊3日、「グローバル人材育成のための国際交流事業 韓国瑞山市への中学生使節団派遣」に学生通訳として参加しました。中学生との交流を通じて、私は多くの学びを得ると同時に、自分自身の課題にも気づくことができました。

将来教師を目指している私は、通訳サポートだけでなく、教育に携わることで、教育そのものについても学びたいと考え、参加することを決めました。参加するにあたり、私は、2つの目標を決めました。1つ目は、中学生が韓国・朝鮮語を話すことの楽しさや韓国文化の魅力を実感できるようにサポートすること。2つ目は、大学生として学生のロールモデルになることです。

1つ目の目標については、現地活動の中で、中学生の代表数名が韓国語で挨拶を行う機会があり、それに伴ってサポートすることができました。発表前日の夜、代表となる中学生たちとホテルの部屋で発音の練習をしました。すると、前日よりもはるかにきれいな発音で、当日、代表挨拶をしてくれました。
また、現地での自由時間にはおすすめの店を紹介したり、商品を一緒に選んだりするなど、学生が韓国文化により深く触れられるように努めました。夜には、韓国のかき氷店「ソルビン」へ行くなどの活動も行い、中学生が韓国の魅力を感じられるように意識しました。

一方、2つ目の目標である「中学生のロールモデルになること」については難しさを感じ、今後の課題であると実感しました。その理由は中学生との距離感の取り方にあります。距離が近すぎると友達のようになってしまい、逆に遠すぎると大人として接する関係になってしまいます。大学生という立場は中学生にとって、「大人」と「中学生」の中間的存在であり、その特性を活かした関わり方が求められます。

私は今回、どちらかというと中学生と距離が近く、友達に近い存在だったと感じています。現地では韓国語の指導や案内、通訳を行いましたが、「学生のロールモデルとなる」という目標を十分に果たせたとは言い難いです。これは将来、教師を目指す上でも重要な課題であり、「教師として学生とどのような距離感で接するべきか」という点は、教育者にとって重要なテーマだと再認識しました。今回の事業に参加させていただいたことは、将来教師を志す者として、中学生と直接関わることができた貴重な経験でした。また、新たな課題を見つけることができ良い教育者となっていけるよう今後も勉学に励み、教育への理解と実践力を深めていきたいと思います。

[韓国・朝鮮語学科准教授 高地朋成]

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