
天理大学日本学科(留学生対象)は、7月27日、本学に在籍する私費留学生を対象に「Excursion(学外研修)」を実施しました。今回は、私費留学生2名と同学科教員2名が参加し、大阪府池田市にある企業博物館を訪問しました。
この「Excursion」は、留学生が日本企業の歴史や経営理念、そして日本社会に与えた影響について理解を深めることを目的としたもので、同市を代表する2つの施設を見学・体験しました。
カップヌードルミュージアム大阪池田(安藤百福発明記念館)
最初に訪れたのは、「カップヌードルミュージアム大阪池田」。ここは、世界初のインスタントラーメン「チキンラーメン」を発明した安藤百福氏の功績を紹介する施設で、発明・発見の大切さを伝える食育施設としても知られています。
館内に入ると、まず体験工房で「カップヌードル」の手作り体験を行いました。学生らは、日本語で書かれた注意事項を一つひとつ丁寧に読みながら、容器にキャラクターや当日の思い出を表すイラストを描きました。


その後は、インスタントラーメンの歴史や製造工程を紹介する、ミニシアターや展示コーナーを見学。壁や天井いっぱいに並ぶカップ麺のパッケージや、各国の年間消費量を示すグラフなどを通して、学生たちは自国と日本との文化や食生活の違いについて理解を深めました。


小林一三記念館
次に訪れたのは、「小林一三記念館」。阪急東宝グループ(現・阪急阪神東宝グループ)の創業者である小林一三氏の功績を紹介する施設で、鉄道事業、住宅開発、文化振興など多岐にわたる取り組みについて学びました。
館内では、年表や家系図、展示資料を通じて小林氏の生涯と事業展開をたどりました。学生たちは、日頃学んでいる漢字の読み方や意味を確認しながら、展示の説明文を丁寧に読み進めました。教員からは、旧字体の読み方や、かつての日本語の横書きが右から左に書かれていたことなど、時代背景に関する補足説明がなされ、日本語への理解を深める様子も見られました。


日本学科では、外国人留学生が日本文化に直接触れる機会を提供することを目的に、キャンパス外での体験型学修を積極的に実施しています。「Excursion(学外研修)」もその一環として、これまで学期ごとに企画・実施されてきました。今回のExcursionも、外国人留学生たちが日本の企業文化や地域の歴史に触れる貴重な学びの機会となりました。