医療学部が「2024まちの保健室」を開催 2024.10.23 医療学部看護学科臨床検査学科社会連携地域・企業との連携在学生保護者の方へ受験生の保護者・高校教職員の方へ地域社会とつながる学生同士がつながる

10月19日、天理大学医療学部が天理駅南団体待合所で「まちの保健室」を開催しました。この取り組みは2019年度より医療学部の社会貢献活動として行われており、天理市民に健康について改めて考えていただくとともに、学生たちにとって学びの成果を地域で実践する機会にもなっています。
今年度は看護学科と臨床検査学科の4年生91名がケガや病気の予防法やストレス解消、健康相談などのヘルスケアのコツを紹介しました。

当日、看護学科の学生は4つのブースに分かれ、時間入れ替え制で生活習慣病や骨粗鬆症の予防、災害時の応急手当、人命救助、健康体操など12のコーナーを展開しました。臨床検査学科は肺機能検査、顕微鏡観察、PCR検査などの4つの体験コーナーと心臓の働きやアレルギーなどに関する展示を行いました。
また、会場には奈良県看護協会、天理市保健センター、天理よろづ相談所病院看護部の協賛によるコーナーも設け、がん検診の啓発や健康相談も行われました。
第5回目となる今回は初めて南団体待合所で開催したこともあり、事前の広報により開催前から期待して待ってくださる方や昨年度から続けて来られた方も含め、例年以上に多くの来場者で賑わいました。

特に小さなお子さん連れが真剣に聞き入っていたのは、看護学科の「子どもの救急」のコーナー。子どもが口にしてしまう恐れのある玩具を紹介し、窒息事故の危険性と応急手当の方法などを紹介しました。

同じく看護学科の「心肺蘇生体験」では、練習用の人形を使って心臓マッサージを施す体験を実施しました。一定のテンポを保たなければならない心臓マッサージですが、学生たちは童謡「うさぎとかめ」のリズムに合わせて圧迫する方法を紹介し、参加者からも「分かりやすい」と好評でした。

臨床検査学科では体成分分析装置「インボディ」を使って栄養状態や筋肉量、脂肪量などを測定するブースが人気を集め、測定の案内だけでなく、結果の見方などの質問に応じる学生の姿が見られました。また、「肺機能検査」のブースでは肺活量を測定。測定を終えた参加者が結果を貼り付けられるボードも用意し、自分の数値がどの程度に値するかが一目で分かる工夫がされていました。

今後も天理大学医療学部ではケガや病気の予防、健康増進に関するイベントを通じて地域に貢献していきます。

来場者コメント

  • 3歳の娘と一緒に夫婦で参加しました。夫婦ともに天理市内で看護師をしていますが、分野が異なると知らないこともあります。「子どもの窒息」のコーナーで、子どもの気道がこれほど細いと初めて知ることができたので参加して良かったです。
  • 今、6歳で3年連続「まちの保健室」に来ました。将来救急救命士になりたいので、今日は心臓マッサージの体験を楽しみにしてきました。心理療法体験のビーズを使ったブレスレット作りも楽しかったです。
  • 高校にチラシが掲示してあり、友達と参加しました。テレビや動画などで妊婦体験を観たことがあり、「お母さんの大変さを知ろう」のコーナーをぜひ体験してみたいと思っていました。映像だけでは分からない重力を感じ、思った以上に動きづらいことも体験できました。
  • 「インボディ」で自宅では測ることができない「筋肉量」を知ることができました。これから体重の増減だけでなく筋肉を鍛えることも意識して運動したいと思います。
  • インフルエンザ検査やPCR検査を何度か受けましたが、今日は検査する側の疑似体験をして、様々な仕組みや検査の中身を知ることができました。

看護学科 奥田眞紀子教授

秋学期が始まってから約2週間かけて学生主体で企画を行ってきました。実習で接する患者さんだけでなく、健康な方々に対して日常の健康や病気・ケガの予防を伝えていくことも看護師の大事な仕事です。今回は市民の方々と接して、生の声を聞くことができ、学生にとって貴重な経験になったと思います。今後も地域と連携しながら医療学部のイベントを開催していきたいと考えています。

臨床検査学科 畑中徳子教授

肺活量の数値をボードに貼って見える化したり、PCR検査のコーナーで遺伝子のパズルを制作してみたりと学生のアイデアで検査に面白みが加わりました。こういったアイデアは臨床検査技師として社会へ出た時に検査室の運営や患者サービスにもつながります。学生たちには今回の経験を糧にして、患者さんから高い満足度を得られる臨床検査技師になってほしいと思います。

参加学生コメント

看護学科4年生 北田花楼さん 吉良南美さん
「子どもの救急」のコーナーを担当し、窒息事故の危険性について紹介しました。お子さんがいても窒息の様子は実際に起こってみないと目にする機会がなかなかありません。そこで、想像しやすいように映像や気道の模型を使って説明しました。また、「気道」という言葉も「空気の通り道」と言い換え、分かりやすく伝えられるよう心がけました。来場者の中にはお子さん連れだけではなく、高齢者もおり、「お餅を詰まらせてしまった時の対処法が分かった」と言っていただけて嬉しかったです。卒業後、私たちは2人とも天理市内で看護師として働きます。これからも大学で身につけた知識を活かして、地域に貢献していきたいです。

臨床検査学科4年生 高橋知与さん
「肺機能検査」のコーナーで、パーセント肺活量と呼ばれる肺活量測定を行いました。この測定方法は年齢や性別に関わらず実施できることもあり、予想以上に多くの来場者に体験していただくことができました。息を吐くタイミングなどの声かけは難しかったですが、実践を通して市民の方とのコミュニケーションを学ぶことができました。卒業後は「高橋さんに任せたい」と様々なシーンで信頼していただけるようなオールマイティな臨床検査技師になりたいです。

臨床検査学科4年生 森本一成さん
家庭用の体重計では分からない体の状態を知ることができる体成分分析装置「インボディ」を使った検査を担当しました。用意していたアンケートシートもすぐになくなるほど盛況でした。この装置は立ち方が重要なので、ポスターを使って解説したり、測定後に点数の説明をしたりと丁寧なコミュニケーションを意識しました。卒業後は臨床検査技師の資格に加え、臨床工学技士の資格取得を目標に進学予定です。将来的にどちらの職に就くかは分かりませんが、今回市民の方々と触れ合った経験は必ず今後に活きてくると感じています。

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