8月9日(土曜日)別所キャンパスで、医療学部臨床検査学科のオープンキャンパスが開催されました。厳しい暑さの中でしたが、多くの高校生(16名)・保護者の皆さまにご参加いただき、大変盛況となりました。




今年度の血液検査学実習は、「マスター!血液検査!!」をテーマに実施しました。
参加者の高校生は、血液細胞や白血病細胞の観察に加え、血栓止血に関する実験に挑戦しました。実習では、1年生から4年生までの在学生がティーチャー役となり、顕微鏡の使い方や実験手技をわかりやすく解説しました。
高校生の皆さんは、顕微鏡の細胞観察や血栓止血実験のピペット操作などに積極的に挑戦し、時間が足りないほど集中して体験していました。
臨床検査技師は、顕微鏡や分析装置を用いた検査だけでなく、生体検査など多岐にわたる分野を学び、国家資格取得を目指す専門職です。今回のオープンキャンパスが、医療の「縁の下の力持ち」として活躍する臨床検査技師の魅力を知り、臨床検査学科への関心を深めていただくきっかけとなれば幸いです。
(医療学部臨床検査学科 准教授 松本智子)


病理検査とは、患者さんから採取した組織や細胞から標本を作製し、顕微鏡で詳細に観察して診断につなげる重要な検査です。この過程のうち、臨床検査技師は標本作製を担当し、診断の精度を支える重要な役割を担っています。
今回の体験では、標本作製法のひとつである「引きガラス法」に挑戦しました。引きガラス法は、採取した細胞をスライドガラス上に均一に広げ、観察に適した状態に整える技術であり、熟練を要します。参加者は本学学生の指導を受けながら、ガラスの引き方や力加減、検体を均等に伸ばす工夫などを学び、実際に手技を体験しました。学生は参加者一人ひとりの作業を確認しながら丁寧にアドバイスし、和やかな雰囲気の中で作業が進みました。
標本作製の後には、子宮頸癌とその前癌病変について簡単な解説を行った後、実際の癌細胞や前癌細胞の標本を用いて顕微鏡観察を行いました。学生が細胞の形態や特徴を分かりやすく説明しながら、参加者一人ひとりが顕微鏡をのぞき、普段は目にすることのない細胞の世界を体感しました。観察中は細胞や病気に関する話題に加え、学校生活や日常の出来事など、さまざまな会話が飛び交い、笑顔と活気にあふれた交流の時間となりました。
(医療学部臨床検査学科 教授 西川 武)
ボランティアとして参加した学生からのコメント
臨床検査学科4回生 𠮷川 凜
今回、病理検査の体験実習を担当させていただきました。標本の作製や顕微鏡での細胞の観察など、初めて経験する内容も多かったと思いますが、皆さんが積極的に参加してくださったおかげで有意義な実習になったと感じています。空き時間には質問や会話を通じて交流することができ、大学の雰囲気も知っていただけたのではないでしょうか。今回のオープンキャンパスでの体験が、進路を考えるうえで少しでも参考になり、将来の目標につながれば嬉しく思います。