ユニークなチーム戦
今回はタイ語・インドネシア語・スペイン語・ドイツ語の各言語コースに所属する1年次生たちが参加。同コンテストは、誰かと得点を競うことよりも、自分自身の語学力を高め、日ごろの学習で触れる語彙の幅を広げる機会として位置づけられています。個人の得点は公開されず、チームでの成果に焦点を当てた設計となっているのが特徴です。今回は1チーム7名、計3チームで争うかたちとなりました。当日、ランダムに組まれたチームが発表されると、メンバーらはさっそく集まって和気あいあいとチーム名を決めたり、語彙を復習する姿が見られました。

日常で用いられる名詞、スマホ語彙などが出題
出題にあたっては、各言語コースの教員が事前に意見交換を行い、語彙の選定や問題構成を検討してきました。今回は、日常生活関連の名詞50点にスマートフォン関連語彙20点が加わり合計70点満点でした。名詞では、「祖母」「野菜」「銀行」「病院」「冬」など。また、スマホ関連語彙には「キーボード」「通知」「充電」「アップデート」「機内モード」など、現代生活に欠かせない用語が多く取り上げられました。実際の会話やデジタル環境で活用できる語彙を意識的に学ぶ機会を得ることが意図されました。
動画教材も手作り
外国語学科教員の協働による独自の語彙リストに加えて、リストに連動した動画も手作りされています。学生からは、「発音確認に役立った」「耳から覚えやすかった」などの声が聞かれました。日ごろから学生に寄り添う教員が、彼らの興味、学習スタイルに合った動画を作成しています。既存の教材に頼らない本学独自の学習支援は、多様な学びのスタイルを支える取り組みとして、今後も注目されるでしょう。

表彰と副賞で学習の達成感を共有
コンテスト終了後は各外国語コースの教員がその場で採点し、得点発表および副賞の授与が行われました。副賞は以下の通りでした。参加賞のお菓子が配られると、緊張していた学生らも笑顔に。本学科のネイティブ教員らがねぎらいの言葉とともに副賞を授与し、会場は拍手に包まれました:
* 参加賞:全員にお菓子
* 満点賞:クオカード1名
* チーム賞:総得点1位のチームにお菓子詰め合わせ
* ニアピン賞:満点に限りなく近い学生2名にお菓子



実生活につながる語彙でモチベーション向上
終了後のアンケート調査では、語彙レベル「ちょうどよい」54.5%、語彙量「ちょうどよい/もう少しあってもよい」36.5%と、出題内容に対する前向きな声が多く寄せられました。また、「日常で使う言葉」「アニメに出てくる語彙」などに高い関心が示され、実用性と親しみやすさを重視した語彙設計が、学習意欲向上に寄与していることが分かります。
また、「語学力向上に役立った」90%(大変そう思う60%、そう思う30%)、「また参加したい」81.8%(大変そう思う63.6%、そう思う18.2%)と、コンテストが学習のモチベーション向上と継続意欲に大きく貢献していることが明らかになりました。
和やかに締めくくる記念撮影
イベントの最後には、全員で記念撮影を行い、和やかな雰囲気で締めくくられました。学生たちの表情には、達成感と充実感が表れていました。本学科の恒例行事となりつつあるボキャコンは、語彙学習の一環としてだけでなく、学生同士の交流の場としても機能しています。異なる言語を学ぶ仲間と協力することで、他の言語や文化に自然と触れる機会が生まれます。

外国語学科では、今後もこのような語学力と協働力を高める実践的な学びの場を通じて、学生一人ひとりの国際的視野と主体的学習力の育成に取り組んでまいります。
(外国語学科准教授 橋本和美)