特別支援の基本方針

本学においては、1961年に聴覚障害のある学生を受け入れて以来、これまで障害のある学生の支援に地道に取り組んできた歴史がある。2006年国連での「障害者権利条約」の採択、2013年「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」の制定、そして2014年同条約が批准されるといった国内外の一連の動きを受けて、本学の障害のある学生への支援に対する姿勢を「天理大学 特別支援の基本方針」としてここに明示することにした。

1. 基本理念

天理大学は、建学の精神および教育目標のもと、障害者基本法に基づく「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律(平成25年法律第65号)」を遵守し、学生の障害の有無およびその程度によって分け隔てることなく支援に努め、すべての学生が平等な教育を受ける機会を確保すると共に、本学にかかわるすべての者が相互に人権を擁護し、尊重しあい、そしてともに学びあう大学づくりを目指す。

2.特別支援対象学生の定義

基本理念でふれた法律によって定められた「障害者」の定義(身体障害、知的障害、精神障害(発達障害を含む)、その他の心身の機能の障害がある者であって、障害および社会的障壁により継続的に日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける状態にあるものをいう)にそって、これらに該当する学生を特別支援対象とする。また、障害に関する手帳の交付を受けていない学生、さらには自身に障害があることの認識を有しない学生もこの対象に含むこととする。

3.基本姿勢

1.基本理念および2.特別支援対象学生の定義をふまえ、以下の基本姿勢のもと、対象学生に対して必要かつ合理的配慮に基づく支援を行う。

なお「合理的配慮」とは、障害者権利条約および「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」にうたわれている支援のあり方である。同条約には、「『合理的配慮』とは、障害者が他の者との平等を基礎として全ての人権および基本的自由を享有し、又は行使することを確保するための必要かつ適当な変更および調整であって、特定の場合において必要とされるものであり、かつ、均衡を失した又は過度の負担を課さないものをいう」と定義されている。これは本学のめざすところとも共通しており、以下の六項目をつらぬく姿勢である。

  1. 教育を受ける機会を平等に確保することに努め、特別支援対象学生に必要かつ適切な支援を行う。
  2. 他の学生と同等に修学できるように障害の内容や程度に応じて、個別に必要かつ合理的な配慮を検討し、障害のある学生と十分な協議を行い、支援を決定する。
  3. 本支援は原則として本人からの支援要請に基づき行うものとするが、本人による意思表明が困難な場合は、必要に応じて関係者(保証人、教員、職員等)から本人の意向を確認し支援を行う。
  4. 特別支援対象学生が学内で安全かつ円滑に学生生活を送ることができるよう、個々の学生の意見・要望を聞き、バリアフリーに配慮した環境整備に努める。
  5. 特別支援対象学生が、日常生活や学習場面において様々な困難を抱えることについて、周囲の学生や教職員の理解を深めるために、種々の教育・啓発活動を推進し、本学全体の教育力・障害のある学生のための支援力の向上を目指す。
  6. 特別支援対象学生を支援すると共に、学生間のコミュニケーションの活性化促進に努めるなど、すべての学生の学びと成長に寄与する取組みを行う。

4.特別支援体制

基本理念、基本姿勢にそって2.に定めた特別支援対象学生への支援を適切に行うため、学生支援課内に「特別支援室」を設置する。本室は、特別支援対象学生への相談対応、当該学生の学生生活環境調整および関係部局、所属する学部・学科や支援者間の連携支援が適切に行われるための調整を行う。

また全学各部署にまたがるメンバーにより構成される「特別支援学内ネットワーク」を置く。本ネットワークは、受入および支援の対象となる学生のプライバシーに配慮しつつ、学内外の関連機関とも緊密に連携を図る。

特別支援対象学生への実際の支援には、上記「特別支援室」ならびに「特別支援学内ネットワーク」による連携のもと、本学の教職員、すなわち当該学生が所属する学部・学科・専攻およびコース、および科目担当教員と関係部署の職員、そして本学の学生サポーターがあたる。そのうえで学外の障害者支援の専門家等とも連携を図り、よりよい支援をめざす。

5.広報活動

学内の障害のある学生、そして障害のある大学進学希望者に向けて、本基本方針ならびに特別支援体制の周知徹底に努めるべく、ホームページ等を通じて積極的な広報活動を行う。

<付則>
2017(平成29)年10月10日 制定

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