前回のニューズレターで簡単に紹介しましたが、いよいよ本学会で初の共同執筆の研究書『アメリカからアメリカスへ』の出版が軌道にのりました。出版を引き受けて下さったのは大阪の老舗出版社「創元社」。南北アメリカを一つの文化圏と捉える新しい発想によりまとめたもので、来年度の学期スタートに間に合わせて、3月に発行の予定です。原稿はすでに全部出版社に出稿済みです。
本書の構成は、序論、総論、各論からなり、序論と総論では全体的にアメリカスという発想を「鳥の目」ともいうべき鳥瞰図的に捉えています。各論は「虫の目」で見た詳細な分析が中心になっており、「本文」「羅針盤」「参考文献」に分かれ、本文は学生や一般読者にも分かり易くまとめてあるのに対し、羅針盤は学会や研究の動向など研究者向けに焦点を合わせました。発売されましたら、是非ご一読下さい。
(1999年11月15日現在、敬称略)
「残暑が終わったかと思ったら、たちまち晩秋、いや初冬が来たような今年のはげしい気候の変化には、研究室から見る青垣山の彩りも戸惑っているようで、紅葉と青葉が斑模様になっています。
「巻頭文には釜田泰介先生は、今なお米国社会に影響を与え続けているウォーレン・コートを分析して下さり、また小林孝信先生は久しぶりのアメリカ旅行で、南北戦争の跡地を歩き、新たな感傷にひたられたようです。佐藤奈津さんに代わって登場した布川栄美さんは、当学会のロゴマークを作ってくれた英米学科の89年度の卒業生で、ニューヨークの米企業でイラストの才能を発揮しています。佐藤さんと交互に変わる米国を紹介してもらうつもりです。
「さる11月16日研究発表会を開き、高野泰志氏(京大大学院人間・環境学研究科博士課程)から「ヘミングウェイと『武器よさらば』」についての口頭発表を聞きました。米文学を専攻してきた高野氏はヘミングウェイの作品に出産の場面が多いことに注目。人間の肉体描写と男性的な医学の世界から彼の作品をきるというユニークな発想は学生たちの強い関心を呼びました。
「今回はニューズレターの発行と学術誌「アメリカス研究」第4号の刊行が同じ月に重なったため、一緒にお届けします。
(YK)
昨年秋の総会で1999年度(98年11月スタート)から年会費は一般会員(5,000円)に改訂させていただきました。納入は、郵便局で下記の口座にお振り込みお願い致します。
口座番号:00900-5-70364
加入者名:天理大学アメリカス学会
なお、一般会員とは別に、賛助会員を募集致しております。賛助会員の会費は年1口30,000円です。 天理大学アメリカス学会に関するお問い合わせ、または、学会入会ご希望の方は下記へお申し出ください。
天理大学アメリカス学会ニューズレター
(No30:1999年11月15日発行)
編集人:北詰洋一
〒632-8510 天理市杣之内 1050
天理大学国際文化学部英米学科内
天理大学アメリカス学会
電話0743-63-1515 内線6446
e-mail: americas@mahoroba.ne.jp
http://www.mahoroba.ne.jp/~americas/