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ハワイ先住民主権回復運動に関する情報収集(1)

--インターネットを利用して--

1. インターネットの利用

 1993年11月のハワイ先住民に対する謝罪法(U.S. Public Law 103-150)において、アメリカ合衆国はハワイ王朝転覆への政府の関与を認めた。ハワイではこれを基に様々な主権回復運動が展開されている。私はこのハワイ先住民の主権回復運動の動向に注目している。1987年と1988年の夏、および1990年の冬にハワイを訪れる機会があり、短い滞在の中で私が感じたことは、様々な民族的ルーツをもつハワイの住民がハワイ先住民に対してもっている意見が概して好意的なものではないということであった。ハワイの伝統文化に対する人々の関心や親しみの大きさを同時に感じていただけに、ハワイ先住民とその文化に対する態度の開きに違和感を覚えたのであった。この違和感が私のハワイ先住民の主権回復運動に対する関心へと導いたのである。とは言うものの関心の対象は数千キロメートルのかなた、経済的、時間的問題は大きく、好きなだけ調査に打ち込めるというわけにはいかない。この問題を大幅に手助けしてくれるのが、これからお話するインターネットの利用である。国境を越え、一瞬にして必要な情報にアクセスできるのは非常に魅力的である。

 インターネットによる主な情報収集の方法としては(1)www(世界中の個人や団体が作成したホームページを閲覧でき、各ホームページには文字や記号だけでなく動画や音声の情報がのせられたものもある。)(2)ニュースグループ(インターネット上の掲示板、会議室。誰でも書き込むことができる。)(3)メーリングリスト(特定の話題について議論するグループに登録をすると、議論内容が電子メールとして随時送られてくる。当然自らも発信、議論に参加できる。)が考えられる。私はこれらを主に主権回復運動関連の具体的事象の情報収集に利用している。

2. ホームページの検索

 まず(1)のwwwとはインターネット上に張り巡らされた情報ネットワークのことである。そこにある調べたい内容をもつページを表示するためには検索ページを使うことになる。インターネットに接続すると、あらかじめ設定されたページがスタートページとして現れる(好きなページに設定を変えることもできる)。このアドレス表示欄に http://www.altavista.digital.com/と打ち込み Alta Vista という検索ページを呼び出す。指定された部分に調べたい事柄のキーワード (Native Hawaiian等) を入力すると、その語句を含むページのリストが表示される。適切なキーワードの選択は適切な情報への鍵となるので注意が必要である (Hawaiiのような抽象的すぎる語句を入力するとヒット数は80万を超えてしまう)。リストは各ページにリンクしているので表示は簡単である。

 この検索ページのことをサーチエンジンとも言い、他にもYahoo!(http://www.yahoo.com/)、Infoseek(http://www.infoseek.com/)、Magellan(http://magellan.mckinley.com/)、Excite(http://www.excite.com/)などがある (( )内はそれぞれのページを呼び出すアドレス)。各々のサーチエンジンは検索方法や表示方法に特徴があり、Magellanのように、その推薦度を星印で示してくれるものや、類義語でも情報を探せるExciteなどもある。Yahoo!のようにキーワード検索だけでなく分野別の検索方法をとるものもある。分野を特定して調査を進めるには適切かと思われる。私が探すページへは、上記のいずれのサーチエンジンでもたどり着くことができた。

(山本享史=天理高校教諭)