Letter from Seattle

同性結婚認めぬ強制理由は?

 同性愛カップルにも結婚が認められる可能性がアメリカででてきた。同性愛者の結婚の認否を問う公判がハワイ州で行われるが、その結果によっては、アメリカ中の同性愛者同士の結婚を認めさせる動きが活発化するのは必至である。

 この「Bachr 対 Lewin」裁判 で原告側は、同性結婚を認可されなかったのは、自分達の結婚が同性愛者同士であるためで、異性同士結婚だけを認める同州結婚法は性的差別だと主張。これは同州のEqual Rights Amendment を侵すものとし、ハワイ州を告発した。今年5月、同州最高裁は、同性同士というだけで結婚を認めないのは性的差別の可能性があるとして州に対し結婚を認めない強制理由(compelling interest)の提示を求め下級裁判所へ差し戻しを決定した。9月の公判の見所はハワイ州がいかにしてその強制理由を証明するかにある。法曹関係者の間では、同州がその理由を十分に証明する可能性は低いとみている。

 ハワイで、同性愛者の結婚が認められれば、本土から結婚のためにハワイへやってくるカップルが増えるのは間違いなく、そうしたカップルが、さらに本土の自州でその結婚を認めさせようとする動きが伴ってくる。

 そうした動きを先読みして、数州では同性愛者間結婚を法的に禁止する条例を市単位で通過させているところもある。ユタ州では、他州で同性愛者間の結婚を認めても、自州では認めないとする法案を圧倒的多数で通過した。ハワイ州でも、そのような事態に備えて、そうした判決を乗り越える

(override)ことができるような条例の制定を、との動きも目立ってきている。

(田北真樹子)