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受付の様子 | 吉川敏博先生の司会で開幕 | 北詰洋一会長の挨拶 | 有馬朗人氏の講演風景 |
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有馬朗人氏の講演風景 | 有馬朗人氏の講演風景 | 質疑応答風景 | 新井正一郎副会長の挨拶で開幕 |
2001年5月26日(土)午後2時〜5時、元文相、元中央教育審議会会長、元東大総長で参議院議員の有馬朗人氏よる、「大学教育を考える−−アメリカでの経験をふまえて」と題する講演が行われました。会場の天理大学2号棟24A階段教室は、150名を越える聴取が時間を忘れ熱心に講演に耳をかたむけていました。
有馬氏の講演は、近年さかんに問題とされている学生の学力低下という現象について、OHPを用いて詳細なデータを紹介しながら、分析されました。それによると、学力の低下という現象は世間で言われているほど深刻なものではなく、データのかたよった読み方によるものである場合が多いことが指摘されました。また、大学生が中学3年生程度の数学の方程式を解けないという現象についても、少子化で広く受験生をえようとして大学側が受験科目を減らしてきたことによるものであると指摘されました。つまり、受験科目として数学を勉強していない学生が方程式を解けないのは自然なことであるということです。むしろ、日本の教育の最大の課題は、こどもたちの「志」や「意欲」の低下に対処することであるとのことでした。近年の国際比較アンケートによると、諸外国のこどもたちが「将来の夢」として「ノーベル賞をとること」「大統領になること」など高い「夢」や「志」をもっているのにたいし、日本のこどもたちは「結婚して幸せな家族をもつこと」「安定した生活」などを将来の目標にあげる傾向があります。
このような現状をふまえ、広い視野から日本の将来を考える能力を養うために、小中学校における「ゆとり教育」「総合科目」を利用して、どんどん社会に出かけていくことと、基礎的反復学習の徹底が必要とされている。大学においても、もっと教育力を発揮する必要があります。大学教員の教育者としての自覚を強化し、専門教育の強化は言うまでもないことですが、基礎的な教養教育の徹底こそが必要なのです。
豊富な経験談と詳細なデータをちりばめた内容の濃い講演のすべてをとても紹介することはできませんが、要旨は以上のとおりです。(JH)