NGO活動体験

M.K.さん(タイ学科 2002年3月卒業)

タイNGO活動体験

 私はタイ最北端の国境の町、メーサイにいます。幅10メートルにも満たない小さな川を隔てた向こう岸はミャンマーです。私はこの国境周辺にいる「ストリートチルドレン」と呼ばれる子どもが毎日のように訪れる施設でボランティアをしています。

 子ども達は、ミャンマー側の村からやってきて一日中物乞いやゴミ拾いをしています。彼らの親のほとんどは麻薬中毒で定職を持ちません。子ども達が家計をささえています。その日の稼ぎが少ないと親に殴られるから、といって家に帰らず夜中コンビニの前にいる子もよく見かけます。私がいる「ドロップインセンター」と呼ばれる施設はそんな子ども達のための緊急避難所や休憩所の役割を果たしています。「ガラスを踏んでケガをした」「○○(子どもの名)が警察に捕まった」などたくさんの出来事が舞い込んできます。

 チェンマイのナイトバザールで観光客を相手にバラの花や民芸品を売り歩いたり物乞いをしたりする子どもを目にしたことがある人も多いと思います。 彼らの多くはメーサイを通って都市にやってきたアカ族やミャンマー人の子ども達です。国境周辺よりもさらに多くのお金が手に入るからと親戚や業者を頼ってやってくるのです。彼らは、最初は真面目に働こうとするのですが、タイ社会で普通に生きていく為の術・能力に欠けている為、都会の淀んだ生活環境に影響を受け次第に売春や麻薬密売などに手を染め裏街道へと踏み込んでいくことになります。チェンマイにはそのような子ども達のために「社会で生きていくための力、自分で自分を守ることのできる力」を育てていくためのアクティビティを行うNGOがあります。しかし、チェンマイに流れてくるアカ族やミャンマー人の子ども達がチェンマイに来た時点では対処が遅すぎるということで、子ども達が都会に行って麻薬、売春やHIV など、さらなる命の危険のさらされないようにとメーサイで設立されたのが今、私のいるNGOです。

  タイNGO活動体験

 子ども達の未来を考えることも大切です。私が重点を置いて手伝っているのは少し大きい子ども達(15歳から20歳前後)への菓子作りの職業訓練です。このNGOで救済された子ども達の多くは国籍を持っていません。タイでの無国籍者、外国人労働者に対する風当たりは最近ますます厳しく、安定した職につくことも難しいのです。いつかこの職業訓練が実を結んでこの場所が子ども達の仕事場になれば、と思っています。

 タイには無数の小さなNGOがあります。規模も対象もかかえる問題も様々です。皆さんも機会があれば観光や勉強、お仕事の合間に少しだけタイのNGOを見学してみてはいかがでしょうか。テレビや新聞からではわからないタイの側面を見ることができます。

 


ページのトップへ