中国文化研究会

研究会の設立
本会は、中国語コースの発行する雑誌『中国文化研究』を母体として、コースの教員を中心とした研究の交流を企図して2005年に発足した。雑誌『中国文化研究』は、1961年に発刊した『中文研究』を継承する形で、1999年から毎年刊行されており、本コース教員のほか広く内外の論文を掲載している。

研究会の研究活動
2005年度から年3回の研究発表を行っている。いままでの活動は以下の通りである。

2005年

第1回 張英偉(中国文化大学からの交換教授)
「私の体験した異文化コミュニケーション」
第2回 阿辻哲次(京都大学大学院人間環境学研究科教授)
「暮らしの中の漢字」
第3回 関本克良(本学非常勤講師)
「中国の障害者福祉政策―障害者就業政策を中心として」

2006年

第1回 汪明輝(国立台湾師範大学地理学系副教授)
「台湾原住民族文化運動の回顧と展望」
第2回 張永江(中国人民大学清史研究所辺疆民族史研究室主任)
「中国モンゴル族とその歴史的研究」
第3回 中川裕三(本コース教員)
「天理大学中国語教育に現状と課題」

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研究活動から

□中国文化研究会平成19年度第1回公開研究会
2007年6月26日4時半から6時 於天理大学9号棟(ふるさと会館)

天理大学国際文化学部アジア学科中国語コース  村上 嘉英 教授
「台日・日台辞典の歩み
―日本台湾統治時期から『東方台湾語辞典』刊行まで― 」

中国文化公開研究会
村上嘉英先生近影

 本学国際文化学部アジア学科中国語コースの村上嘉英教授は、本年3月、台湾のおよそ4分の3にあたる人が母語とする台湾語の最新辞典を刊行。そして、このたび、中国文化研究会の公開研究会で、台日・日台辞典の歩みについて講演する。
☆講演要旨
台湾語は、台湾の人口のおよそ4分の3が母語とする言語。その日常語を網羅した『東方台湾語辞典』(村上嘉英編著)が、この度、東方書店から刊行された。近年、台湾ではアイデンティティーの高まりから母語の復権が急速に進んできているが、こうした時期における台湾語辞典刊行の意義を、日本台湾統治時期に編纂された7種の台湾語辞典を顧みながら述べる。

☆講師プロフィール
村上 嘉英(むらかみ よしひで) 1939年愛知県生まれ。1962年天理大学中国語学科卒。 台湾大学中国文学研究所碩士課程、中国文化大学専任講師を経て、天理大学教授。 中国語学・中国方言学専攻。 主な著書に、『エクスプレス台湾語』(白水社。1995)など。

 なお、村上先生のご講演に先立って、加藤浩志氏(東方書店編集)より「『東方台湾語辞典』を編集して」と題して、辞書が出版されるまでのさまざまな経験談を話していただきます。

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■台湾阿里山郷のツォウ族出身の地理学者、汪明輝先生(ツォウ族名 Tibusungu’e vayayana ティブスグ・バヤヤナ)の講演会

テーマ「台湾原住民族文化運動の回顧と展望―兼論鄒族運動的経験」

汪明輝先生の講演会

 台湾原住民族の人々とは?
 わたしたちは、汪明輝先生の話を通じて、世界の先住少数民族についてなにを学ぶことができるのだろうか。汪先生は、国立台湾師範大学地理学系の大学教員として、80年代から90年代のツォウ族文化運動を指導してきたいわば原住民族文化運動のリーダーである。
 1980年代に台湾では、民主化運動に影響されて、台湾の先住民族の人々のあいだで台湾原住民文化運動が起こった。
 そして、かつて「高砂族」や「山地同報」と様々に呼称されてきた先住民族の人々は、「原住民」の呼称を選び、1994年に公式名称として、憲法に記載されるにいたった。さらに1997年には、修訂されて「原住民族」となった。現在は、台湾・行政院文化建設委員会に原住民族委員会(略称「原民会」)が設置されている。
 いま、台湾原住民族の人々は、なにをめざしているのであろうか。
 汪明輝先生は、わたしたちに語る――。(講演パンフレットの紹介より)

(本学HPの「TOPICS」2006/5/31より)

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□漢字博士の阿辻哲次氏が本学で講演 

阿辻哲次氏の講演

 NHKの教育番組「知るを楽しむ 日本語なるほど塾」で活躍中の阿辻哲次教授(京都大学大学院環境学研究科)の講演会「暮らしの中の漢字」が、10月19日、本学で行われた。中国文化研究会が主催したもの。
 パソコンの出現で誰もが難しい漢字を使って簡単に文が書けるようになり、現代人は一昔前の人よりよく文を書くようになった。漢字は表意文字で新しい組み合わせの造語(例 嫌煙権1985年頃)が容易で、意味さえ知っていれば誰にでもそれが理解できるもの。3300年前の甲骨文字文も、今の漢字に一字一字置き換えればそのまま現代の文になる、つまり文法が全く変わっていない極めて特異な言語である。阿辻氏は、このように漢字に対して興味を高めた後、現在我々の生活の中で使われている漢字を、「常用漢字」「人名用漢字」「JIS漢字」に分けて解説した。
 「常用漢字」の前身は「当用漢字」で、1946年に制定されたもので、当面の間使用するべき漢字制限として1850字が定められた。そして、1981年に現在の「常用漢字」となり生活の中で使用する漢字の目安として1945字が制定された。規制も制限から目安になった。
 「人名用漢字」は、法務省管轄で、1951年の92字に始まり、その後追加追加で現在、983字まで増えている。戸籍法では常用平易な文字とあり「彦」、「昌」などの平易でよく使われている漢字が使えないとはおかしいということで裁判になり最高裁が可能と認めたことなどから増え続けた。
 「JIS漢字」(情報交換用漢字符号系)は、パソコンの登場によりどこの機種でも番号さえ打ち込めば同じ漢字が表記できるようにと、使用頻度の高い漢字2965字を第1水準漢字、その他を第2水準漢字として3390字を定め、6355字すべての漢字に番号が付与されている。
 最後に阿辻氏は、現在は漢字の問題もコンピューター抜きには語れないし、新しい文字文化はみんなで一緒に作っていくものと結んだ。

(本学HPの「TOPICS」2005/10/19より)


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