天理大学の教員養成

天理大学では、建学の精神と教育目標にもとづき、宗教的環境のもとで豊かな教養と専門的学識を身につけ、「他者への献身」を体現する姿勢と能力を備えた国際感覚豊かな教員の育成をめざしています。各分野で多くの卒業生が、全国各地の学校現場で活躍し、生徒を思いやる姿勢や指導力を高く評価されています。
本学の教職課程は、中学校・高等学校の教員をめざす学生のために設けられたものです。
所定の科目・単位を修得することで、下に示した教科の中学校教諭一種免許状、高等学校教諭一種免許状を取得することができます。
また、神戸親和大学と提携して実施している「小学校免許状取得プログラム」により、中学校または高等学校の教員免許状取得を前提に、同大学の通信教育部において所定の科目・単位を修得することで、在学中に小学校教諭一種免許状の取得が可能です。

教員免許状の取得状況と就職状況

取得できる免許状の種類

教育体制

学校種・教科別の必要科目と担当教員

〔中学校〕各教科別の科目

〔高等学校〕各教科別の科目

質向上に向けての目標と計画

教員養成の理念にもとづいて、これからの教員に求められる資質能力である「教職に対する責任感や使命感」「専門職として教育実践を行っていく力量」「豊かな人間性や社会性など総合的な人間力」を培っていきます。
この目標の達成のために次のような取り組みを行っています。

  • 1.教員養成のカリキュラムの概要

    本学の教員養成カリキュラムの概要を概念図で示すと、以下の通りです。

    教員養成のカリキュラムは、各学部・学科及び各センターが行う教養教育及び専門教育での学修を基盤としています。
    教職課程では1年次に、教職の意義や役割、職務等、教職の概要について学ぶ「教職論」と、障がいの有無にかかわらず、多様な教育的ニーズのある生徒の特性や心身の発達、また教育課程や学習上の支援方法などを学ぶ「特別な支援の必要な生徒の理解」を学修します。2年次から「教育原理」「学校教育心理学」等の教職に関する専門科目群で、教員として必要な理論や知識・技能を身につけます。3年次では、「教育方法学」で実際の授業における教育方法や教育へのICT機器の活用などを習得し、「教育実習講義」では教育実習に向けて実践的な学びを深めます。4年次の春学期には、「教育実習1・2」でそれまでに学んだ理論や知識・技能を実践と結びつけ、同年次秋学期には、「教職実践演習(中・高)」でロールプレイやグループワークなどのアクティブ・ラーニングを多く取り入れた授業を展開し、これまでの学びを統合・発展させ、「教職に対する責任感や使命感」「専門職としての教育実践力」「豊かな人間性や社会性など総合的な人間力」など、これからの教員に求められる力量を培っていく枠組みとなっています。

    本学の特徴ある授業科目としては、「学校教育支援」が挙げられます。この授業は、大学での事前指導(講義)と学校現場でのスクール・サポート(学校支援ボランティア)活動、及び二度の活動報告会(中間報告会、最終報告会)とを組み合わせた授業内容となっており、教員としての実践力の向上を目的としています。

  • 2.質向上のための教職指導体制

    全学の教員養成教育を中心的に担う教員組織として、全学教育推進機構に「教職課程」研究室を置いています。
    さらに、教員養成教育の運営に関わる全学的組織として「天理大学教員養成教育委員会」を設けています。
    この委員会は、副学長を委員長とし、学務部長、「教職課程」研究室に所属する教員、各学部学科の専任教員等を構成員としています。委員会には、教務課長及び教職課程担当職員等も加わって、教員養成教育の充実・改善、教職指導の実施方策や地域との連携など、本学の教員養成教育の効果的な運営のために必要な事業を審議し、全学的な合意のもとで本学の教員養成の計画、実施、評価・改善を行い、より質の高い教員養成の推進をめざしています。

  • 3.教育委員会等との連携・協力に関する取り組み

    スクール・サポーター(学校教育支援ボランティア)活動
    地元の天理市をはじめ、大和郡山市、奈良市などの教育委員会との間でそれぞれ学・市連携協定を結び、スクールサポーター(学生ボランティア)の派遣を行っています。この活動は、教職をめざす者として大学での学びを学校現場で活かすとともに、意欲と自覚を高め、教員になるために必要な力量を培う機会となっています。

    教員研修への講師派遣など、教育委員会や学校園との連携と協力
    教育委員会や学校園での教員研修の講師として、「教職課程」研究室に所属する教員をはじめとする本学教員を派遣しています。これらの取り組みは、本学と教育委員会や学校園との連携と協力を深めるだけではなく、教員養成を担う大学教員が学校現場の現状や課題を知り、現職教員のニーズを知ることにつながるなど、本学における教員養成の質の向上に資するものであると考えます。また、これ以外にも地域の教育行政との連携として、各種の委員会や審議会等の委員として本学教員を派遣しています。

  • 4.より高度な専門性をもった教員養成

    本学では、これまでの各学部での学修を基盤とした専門性の高い教員養成に加えて、平成27年度より大学院体育学研究科において、体育学部の教員養成カリキュラムを発展・深化させ、学校現場で生じるさまざまな問題に対応できる高い水準の教員養成を行っています。
    生徒の豊かな心と体を育むために必要な運動や健康モデルとその指導理論について、国内外の研究を通じて最新の知識を学修した保健体育科教育のスペシャリストの養成をめざし、武道・スポーツ文化、保健・スポーツ教育および健康・スポーツ科学の研究分野には、さまざまな研究を通じて得た知見をもとに、自ら問題や課題を解決することのできる実践的な能力のある教員を養成する教育課程を設けています。そして、近年学校現場で見られる体罰問題やいじめ問題などの社会問題に的確に対応し、生徒がスポーツ活動や運動部活動を通じて多くのことを学ぶにあたり、生徒や保護者と確かな信頼関係を築くことができる専門的な知識や指導力を身に付けた教員養成を行います。
    保健体育科の教員として必要な資質能力の育成を目的とするだけでなく、学校現場においてリーダー的な役割を果たし、広い視野を持って教育活動をコーディネートできる能力を持つ質の高い教員を養成します。

教職課程自己点検・評価報告書

教育職員免許法施行規則の改正により、2022年4月1日より自己点検・評価に関して、複数の教職課程を設置する大学は、教職課程の円滑かつ効果的な実施により教員の養成の目標を達成するため、大学内の組織間の連携による適切な体制を整備するものとされ、また、 教職課程を設置する全ての大学において、教職課程を実施するためのカリキュラムや教員組織、施設及び設備の状況等について、自己点検・評価の実施と結果の公表が求められています。
この改正を受けて、本学では教職課程の自己点検・評価を実施し、自己点検・評価報告書を作成しています。

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教育・研究

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